万年こたつ

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【小説感想】吹雪の山荘で起こる連続殺人事件『霧越邸殺人事件(上)(下)/綾辻行人』

綾辻作品最近読んでなかったので購入。

 

本の情報・あらすじ

霧越邸殺人事件(上)(下)/綾辻行人(角川文庫)

(上巻)

白い闇の底で、その館はずっと、貴方を待っている――。

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”を舞台に今、恐ろしくも美しい連続殺人劇の幕が上がる!

日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の<完全改訂版>!!

 

(下巻)

美の女神が司る“死の館”から、貴方はもう、出られない――。

続発する第二、第三の殺人。執拗な“見立て工作”の意味は?真犯人は?動機は?邸内に潜む“何か”の正体とは……?『Another』の綾辻行人が智力の限りを尽くして構築した、もうひとつの代表作――『霧越邸』は本格ミステリの様式美を究め、突き抜け、そして永遠の伝説なる!!語り下ろしインタビュー「霧越邸秘話」収録の<完全改訂版>。解説・宮内悠介

 

 

 

 

綾辻行人の代表作!吹雪の山荘で起こる連続殺人事件

「――もう一人の中村青司氏に捧ぐ――」

 

この始まりだけで「館」シリーズが好きな人はテンションが上がるのでないだろうか。綾辻行人が書く本格ミステリようやく読了。

 

面白かった。吹雪の山荘というクローズドサークルで起こる殺人事件。ただ殺人が起こるだけでなく、偶然立ち寄った館のはずなのに訪れた劇団「暗色天幕」のメンバーの名前と共通するものが館のいたるところに配置されていたり、殺人事件の裏で見え隠れする“もう一人の住人”の影がより気味悪さを引き立てる。

 

「館」シリーズは舞台となる館そのものに仕掛けがありそれを楽しみのも面白さのひとつだけど、今回のは現世と隔絶された空間の雰囲気の中にある心理描写、というか人間らしさが読んでて面白かった。ちゃんと真相への糸口というかヒントは書かれているのになあ。解決編を読むまで全く気付かんかった。

 

やっぱり綾辻行人の作品は面白い。ただのミステリじゃないところが特に。巻末インタビューに書かれてたけど、この作品は本格ミステリ7、怪奇幻想3の割合で書かれているらしい。この怪奇幻想3が良いアクセントになってる。

 

冒頭のもう一人の中村青司とは誰のことを指すのかも巻末インタビューを読めばわかる。そうかあの人が関わってたのか、知らんかったわ。