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万年こたつ

本や漫画の感想がメインの雑記ブログ こたつに籠って本を読んで生きていきたい

【薬】経口糖尿病治療薬の使い分け

学会で聞いたことのまとめその2

 

糖尿病治療薬は去年新たにSGLT2阻害薬も増えていており、患者に合わせた薬を選ぶことが出来るようになってます。

 

しかし糖尿病の厳格なコントロールを意識しすぎているせいか、やりすぎて低血糖となってしまう患者さんが多いのも事実。

 

なので「いつの血糖値を下げたいか」に注目する必要があるそうです。

 

 

 

HbA1cと血糖値の関係

今は糖尿病かどうかを判断する指標は血糖値ではなくてHbA1cを重要視するようになっています。

 

もちろん血糖値の測定も大事です。糖尿病かどうかの判断の基準は

 

空腹時血糖≧126mg/dL、OGTT2時間後血糖≧200mg/dL、随時血糖≧200mg/dLのいずれかを満たし、HbA1c≧6.5%となると糖尿病型と診断されます。

 

しかし血糖値は測定した時点での値であり、直前に食事をしていると大幅に上昇してしまいます。そのため健康診断のときだけしか測定しない人の場合は常に血糖値が高いのか、たまたまそのときだけ高いのかの判断がつきません

 

それに対してHbA1cは約2か月の平均血糖値を反映しています。あくまで平均なのでHbA1cが正常でも高血糖と低血糖を繰り返している場合もありますが、基本的にこちらを参考に治療計画を立てると思います。

 

講演では、

 

HbA1cが7くらいまでの患者さんでは食後血糖が健常人より高くなり、

 

HbA1cが8を超えると食後血糖だけでなく、空腹時血糖も健常人より高くなる

 

と言っていました。だいたいの人はこれに当てはまるので24時間血糖値を測定していなくてもHbA1cを見れば推測が可能です。

 

食後血糖だけが高い患者に空腹時血糖を下げる薬を使うと低血糖のリスクが高くなるので薬の選択には注意が必要になります。

 

日本糖尿病学会 The JapanDiabetes Society

 

経口血糖降下薬の種類と作用

現在、経口の血糖降下薬は大別すると8種類になります。

 

インスリン抵抗性改善系

 ・ビグアナイド薬…肝臓での糖新生の抑制

 ・チアゾリジン薬…骨格筋・肝臓でのインスリン感受性の改善

インスリン分泌促進系

 ・スルホニル尿素(SU)薬…インスリン分泌の促進

 ・即効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)…より速やかなインスリン分泌の促進

 ・DPP-4阻害薬…血糖依存性のインスリン分泌促進+グルカゴン分泌抑制

糖吸収・排泄調節系

 ・α‐グルコシダーゼ阻害薬…炭水化物の吸収遅延

 ・SGLT2阻害薬…腎での再吸収阻害による尿中ブドウ糖排泄促進

 

糖尿病リソースガイド

 

血糖値を下げるのはインスリンを出すだけじゃなくて様々な作用機序がありそれをうまいこと組み合わせて使います。それでも下がらないなら注射製剤を用います。

 

 

経口薬の使い分け

いよいよ本題。確か以下のように分類してた。

 

食後の血糖値を下げる薬剤…ビグアナイド薬、α‐グルコシダーゼ阻害薬、即効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

空腹時の血糖値を下げる薬剤…スルホニル尿素(SU)薬、チアゾリジン薬

食事に関係なく血糖値を下げる薬剤…DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬

 

納得できるのとできないのがあるんですが…。これは講演でメモが取れなかったので記憶違いなのか単純に僕の知識が間違ってるのか。

 

食後の血糖値を下げる薬でα‐グルコシダーゼ阻害薬とグリニド系はわかる。

 

α‐グルコシダーゼ阻害薬は食事(炭水化物)の吸収を遅くすることで血糖値の急激な上昇を抑える薬なので空腹時には効果が無い。

 

グリニド系は服用後すぐにインスリン分泌が促進されて血糖値を下げる。ただし薬の消失も早いので食後血糖を抑えるために食直前に飲む必要がある。インスリンの分泌を前倒しにするイメージらしい。

 

それに対してSU剤は作用時間も長く、インスリンの分泌量を底上げする薬なので、空腹時の血糖値を下げることができるそうです。

 

ビグアナイド薬は食事関係なく効くイメージなんですが、食後血糖の改善らしい。

 

通常、食事をして血糖値が上がるとインスリンが分泌される⇒インスリンが分泌されると肝臓で糖の取り込み率が上がる⇒相対的に肝臓の糖放出率(糖新生)が減る⇒血糖値が下がる

 

のだが、インスリン抵抗性が高いと

 

食後にインスリンが分泌されても肝臓での糖取り込み率が上がらない⇒相対的に糖放出率(糖新生)が増える⇒血糖値が下がらない

 

といった事態になる。ビグアナイド薬はこの糖放出を抑えるので、メインとして食後血糖に作用するって解釈でええのかしら。

 

空腹時血糖の是正としてのSU剤はさっき書いた通り。作用時間が長い。

 

チアゾリジンはPPAR-γを刺激することでインスリン抵抗性惹起物質の過剰分泌を抑える作用があります。インスリンは食後に放出されるだけでなく24時間基礎インスリンが分泌されてます。

チアゾリジンの作用は基礎インスリンの効果も増強させるのでインスリンの分泌量に関わらず血糖を下げる。つまり空腹時血糖の改善に使われるのだと思います。

 

 

あとは食事に関係なく血糖値を改善するDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の2種類。

 

SGLT2阻害薬は尿細管での再吸収を抑えてたくさん尿中に出すので、食事やインスリン分泌に関係なく24時間作用するのはわかります。

 

DPP-4阻害薬は直接インスリンに作用するのではなく、インスリン分泌を促進するホルモンの総称であるインクレチンに関わります。

インクレチンは血糖値が高いとインスリン分泌を促進し、低いと作用しないという血糖依存的に働くホルモン群です。DPP-4阻害薬は、このインクレチンを分解するDPP-4を阻害することでインクレチンの量を増やします。

その結果インスリンが必要なとき(血糖値が高くなったとき)により多くのインスリン分泌を促すことが可能になります。血糖依存的なため低血糖も起こしにくく一番よく使用されている薬剤です。

 

講演ではDPP-4阻害薬は「食事に関係なく血糖値を下げる」といったところに分類されてたように思いますが、これは血糖値を下げるというよりも作用機序から低血糖が起こりにくいので食後空腹時を気にせず使えるからなのでしょうか。なんて言ってたか覚えてないです、すいません。

 

まとめ

講演でも仰ってましたが「いつの血糖値を下げるのかを意識する」ことが大事。

そのためには各薬剤の特徴は当然理解しておく必要があるが、それに加えて副作用(低血糖)の発現状況を聞き取る事も大事なのだと思います。

いざそうなったときに医師に処方提案ができるようにしたい。