万年こたつ

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【薬】認知症の薬の違い

調剤していてアリセプトにレミニールを追加しようとした場面に遭遇したので、再確認もかねてまとめてみました。 

 

アリセプトと併用できるのはメマリーのみです。レミニールは作用機序が同じなため併用禁忌(レミニールの添付文書に記載)となっています。

 

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物忘れをしたお爺さんのイラスト(認知症) | かわいいフリー素材集 いらすとや

 

認知症の種類

認知症と一言にいっても脳の障害部位の違いでいくつかの種類に分けられます。

一番多いのはアルツハイマー型認知症血管性認知症レビー小体型認知症と続きます。

またそれぞれが分かれて発症するだけでなく混合型認知症というのもあります。

 

神経変性が原因…アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症

脳血管障害…血管性認知症

 

 

 

 

中核症状と周辺症状 

認知症の症状は大きく記憶などに関する中核症状と行動・心理に関する周辺症状に分けられます。

中核症状はアルツハイマー型認知症では必ずみられる症状ですが、周辺症状は個人差が大きく、興奮系の陽性症状と抑制系の陰性症状に分けられます

 

中核症状

記憶障害、見当識障害、失語・失行・失認、遂行機能障害

 

周辺症状

幻覚・妄想、不眠、依存、過食。異食、徘徊など

 

 

認知症の薬を知ろう!効用、副作用、注意ポイント一覧まとめ | 認知症オンライン

 

 上記サイトで症状とそれに対応する医薬品を図でわかりやすく説明してくれています。

 

 

 

アルツハイマー型認知症治療薬

アルツハイマー型認知症治療薬は今のところ大きく2種類に分けられます。

①コリンエステラーゼ阻害薬(ChE阻害薬)

アリセプト(成分:ドネペジル)

レミニール(成分:ガランタミン)

イクセロン/リバスタッチ(成分:リバスチグミン)

 

②NMDA受容体阻害薬(NMDA=N‐メチル‐D‐アスパラギン酸)

メマリー(メマンチン)

 

 

コリンエステラーゼ阻害薬

アルツハイマー型認知症の患者では脳内のアセチルコリンの量が減少していることが分かっています。このアセチルコリンは記憶の形成に関わっています。

コリンエステラーゼ阻害薬神経間の伝達物質であるアセチルコリンを分解する「アセチルコリンエステラーゼ」の作用を阻害することで、アセチルコリンの量が増やし中核症状をを抑制します。

 

しかしコリンエステラーゼ阻害薬は陽性の周辺症状の副作用を生じることがあるので、元々興奮気味だったりと陽性症状が出ている患者さんには注意が必要です。

 

現在3種類の成分が承認されています。それぞれ特徴が適応症や剤型に違いがあるので違いを知っておく必要があります。

 

アリセプト

認知症治療薬の中で唯一レビー小体型認知症に対する適応があります。また他の2剤と異なり高度のアルツハイマー型認知症に適応があります。

後発品も豊富で錠剤や細粒だけでなくゼリー型もあるので患者さんの好みに合わせて選択できるのもメリットです。

難点としては消化器系の副作用が強いことですかね。(時間が経てば多くの場合軽快しますが)

 

 

レミニール

コリンエステラーゼ阻害作用に加えてシグナル伝達を強化する作用もあります。マウスの実験では認知症の原因とされるアミロイドβの沈着を抑制するという報告もあります。

下痢よりも悪心の副作用のほうが多いです。

副作用軽減のために食後に投与しなければならないことと、作用時間の短さから1日2回服用しないといけないため、他の薬剤よりも手間が増えるのが難点。

 

 

イクセロン/リバスタッチ(先発が二種類あります)

唯一の貼付剤です。患者さんがお薬を飲むことを嫌がったりする場合は重宝します。貼るだけでいいので介護者の負担軽減にもつながります。

アセチルコリンエステラーゼ阻害作用だけでなくブチルコリンエステラーゼ阻害作用もあるのが特徴です。

 

 

NMDA受容体阻害薬

脳の伝達物質のひとつにグルタミン酸があります。グルタミン酸の受容体であるNMDA受容体は記憶を司る海馬に多く存在しています。

認知症になるとグルタミン酸の量が増えすぎて、NMDA受容体が必要以上に活性化されるため異常をきたします。

NMDA受容体阻害薬を用いることでNMDA受容体の活性化を正常なレベルまで落とすことで症状を抑制します。

 

またコリンエステラーゼ阻害薬で問題となる陽性の周辺症状を抑える効果もあります。

 

ただし中等度以上の認知症の患者さんに対してだけ用いられる薬なので、第一選択とはなりません。

傾眠・めまい・意識消失など、それに伴う転倒に注意が必要です。

 

参考にしたもの

ポケット医薬品集〈2017年版〉

薬がみえるvol.1

認知症の薬を知ろう!効用、副作用、注意ポイント一覧まとめ | 認知症オンライン

認知症の薬 | 認知症ねっと