万年こたつ

こたつに籠って本を読んで生きていきたい

『かかりつけ薬剤師』って大変だと思う。

こんな記事を見ました。

 

www.yutorism.jp

 

医療関係者以外の方から「かかりつけ薬剤師」という言葉を聞いたのは初めてなので、知ってる人いるんだというのが最初に読んだときの感想です。

 

患者さんにはメリットがある制度なのかもしれません。でも現場で働く薬剤師としては理想論を語るのは結構だけど…ってのが正直なところ。

 

仕事関係の記事はほとんど書かなくなった(ブログでも仕事のことなんて考えたくない)んですが、いち薬剤師としての考えを書いてみようかと思いました。

 

前提条件として

・僕のところは「かかりつけ薬剤師」の算定をしてないので、厳密に言うと現場の声ではない

・僕個人としては否定的だけど、ちゃんとやってるところはある

 

ということを念頭においてください。あくまで個人の考えですので。

 

 

かかりつけ薬剤師制度とは?

先ほどあげたらくからちゃさんの記事を見てくれるのが一番。図とかいっぱいあってわかりやすいです。

 

ざっくり言うと、薬剤師指名制度です。

 

あなたが薬局来たときは必ずこの薬剤師さんが担当してくれますよ。薬剤師がいる時間帯がわかるようにシフト表も渡しますよー。さらに24時間365日電話でお薬相談にのりますよー。

 

という制度です。

 

聞いただけで「え?無理じゃね?」って思いませんか?無理です。

 

詳しくはこのサイトに算定要件が書いてあります。「やむを得ない場合は別の薬剤師が担当しても良い」という文言がありますので、かかりつけ薬剤師を導入してるところはうまいことやってるのだと思います。

kanri.nkdesk.com

 

 

 

 

24時間電話が来ることを意識し続けるってつらい

まずひとりの薬剤師が24時間365日対応するってのが無理。

 

僕はオンとオフを分けたい人です。薬剤師は仕事としてやってます。業務外の時間に勉強会に行くことはあっても、休む時は仕事のこと考えずに休みたいです。

 

なのにいつかかってくるかわからない電話を常に持ち続ける。

 

旅行に行ってる時も寝てる時も家でゆったりしてるときも頭の片隅には患者さんから電話がかかってきても対応できるように意識しておく。

 

僕はできません。実際に電話がくることなんてほとんどないとしても意識してるのが嫌。休む時は思いっきり休みたい。

 

寝てるところたたき起こされて薬の相談されてもちゃんと答えられる自信がありません。

 

というかかかりつけ薬剤師やってるところって、ちゃんとそれ用の携帯支給してくれてるんだよね?

 

患者さんのお薬と副作用正確に全部覚えられない

毎日何十人も患者さんが来られます。

 

どんな病気を患っているのか、何をどれだけ飲んでいるのか、副作用やアレルギーはあるのか患者さんによって千差万別です。

 

そういった情報は薬歴というものにまとめ、保管しています。再びその患者さんが薬局に来られたときはその薬歴を見て情報を確認し、新たに処方されたお薬が問題ないか調べ、今回の情報を足していきます。

 

僕の記憶力の問題だけかもしれませんが、顔や名前を見ただけでその人の情報をすべて思い出すことはできません。あんな薬飲んでたなーとは思い出しても必ず薬歴を確認して確かめます。

 

でも職場にいないときはそれができません。患者さんの個人情報を常に持ち歩くわけにもいかないので、勤務外の時間に電話がかかってくると自分の記憶しか頼るものがなくなってしまいます。

 

かかりつけ薬剤師を指名する人は数人かもしれませんが、その数人でもきっちり正確に記憶できると断言できません。

 

うろ覚えで適当なことを言うわけにはいかないのです。

 

薬剤師って移動・転職が多い職業だよ

記憶力がめっちゃ良くて電話ばっちこいっていう薬剤師がかかりつけ薬剤師になったとしましょう。

 

めっちゃすごいです。尊敬します。でもきっと別の問題が出てきます。

 

それは「その人はずっとその薬局で働いてるの?」という問題です。

 

看護師や薬剤師などの医療職は転職が多い職業だと思います。資格職ゆえに常に需要があり再就職しやすいからということと、女性の多い職場だからというのも理由の一つです。

 

夫婦共働きの時代とはいえ、結婚したら正社員を辞めてパートになる。旦那さんが転勤になったからついていくために辞める、というのはまだまだ女性側だと思います。逆はあまり聞いたことありません。

 

また大手の薬局チェーンだと男女関わらず店舗間の移動も多々あります。欠員が出たから、新しく薬局を建てるから、管理薬剤師の経験を積ませるためなどなど。

 

そういった転職や移動は突然訪れるものがほとんど。

 

そうなるとその人をかかりつけ薬剤師にしていた人たちはどうなるのか?新しい職場まで着いていくの?また新しいかかりつけ薬剤師を探すの?それで目指す信頼関係とやらは築けるの?

 

となってきます。

 

なるのは大変だしやりがいもあると思う。でも組織じゃなくて個人に頼るのはどうなの?

批判ばっかりしてるけど、じゃあ薬剤師だれでもかかりつけ薬剤師になれるのかといえばそうではありません。

 

薬局勤務年数、週当たりの勤務時間、研修にちゃんと行って認定薬剤師をとっているなどなど、かなり厳しい条件があります。

 

今の僕では条件を満たしてないのでなれません。

 

患者さん個人と付き合っていくためには相応の能力が求められるわけです。

 

命に関わるわけですから当然といえば当然。

 

でもそれは個人が頑張るじゃなくて、その薬局にいる人が同じレベルのサービスを提供できるように制度化する必要があるんじゃないかなーと思うわけです。

 

 

いわゆる「かかりつけ薬局」というやつ。

 

記録をきちんと残してどの薬剤師でもちゃんと引き継げるようにして、24時間対応は持ち回りにする。

 

かかりつけ薬局に対する診療報酬があったかは覚えてませんが、個人よりもそっちの方向に重きを置いてかないと現場はつらいなあと思うわけです。

 

 

まとまらない愚痴になってしまいましたがまじめな話はこの辺で。

 

所詮現場に近いだけのいち薬剤師のお話なので、実際に算定しているところのお話は聞いてみたいよね。薬剤師さんブログ書いて。